優待投資家の囲い込みを始める企業
個人投資家に人気の高い株主優待。株主優待が欲しいときは、優待の権利がもらえる月末に株主になればOKです。保有期間は最短で1泊2日。今月であれば「5月26日買い→27日売り」の組み合わせでもらえます。
ところが、最近、この動きを封じる対策が徐々に広がってきています。
松田産業(7456)5月13日発表
株主優待制度変更の理由
株主の皆様の日頃のご支援にお応えするとともに、中長期に当社株式を保有して頂ける株主様の増加を図ることを目的とし、今後は1単元(100株)以上を継続1年以上保有の株主様に株主優待品を贈呈させて頂くことに変更いたします。
株主優待制度変更の内容
変更前 | 変更後 |
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毎年3月31日現在、当社株式を1単元(100株)以上保有する国内在住の株主様に、6月下旬に贈呈 | 毎年3月31日現在、当社株式を1年以上継続して、1単元(100株)以上保有する国内在住の株主様に、6月下旬に贈呈 |
なお、1年以上継続保有の株主様とは、同じ株主番号で3月31日および9月30日現在の株主名簿に3回以上連続で記載または記録された株主様です。
株主優待制度変更のポイント
この株主優待は、保有期間1年以上の株主が対象となります。今回のポイントは「同じ(同一)株主番号」です。
勘の良い方なら気づくと思いますが、基準日に合わせて、年2回(3月末と9月末)1泊2日の売買を繰り返せば、うまくいくと考えるかもしれません。
しかし、これでは同じ株主番号にはなりません。保有期間の途中で売り買いすると、優待の対象から外れてしまいます。
この対策は、資金の乏しい管理人のような投資家にとって大ダメージです。約1年間、優待のために投資資金を拘束されてしまうので、1月、2月、3月・・・と少ない資金でたくさんの株主優待をゲットすることができなくなります。
今後、すべての優待銘柄で導入されるかもしれないと考えると、おそろしくなります(当分ないでしょうけど・・・)。
本来のあるべき姿に戻っただけかもしれませんが、以前よりもっと、欲しい優待を厳選しないといけないですね。