ソニーのスクエニ株売却
4月下旬から本格的に始まる、3月決算企業の決算発表。決算発表は株価に大きな影響を与えます。ところが、業績よりももっとインパクトのある要因があります。それは「大株主の動向」です。
どんなに業績が良くても、大株主が持株を売却すれば、株価は値下がりします。いわゆる「需要と供給」です。今回はその一例を紹介したいと思います。
スクエニ(9684)大株主一覧
ソニー100%子会社が保有する株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングスの株式譲渡及び譲渡益の計上(見込)のお知らせ
ソニー100%子会社が保有する株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングスの株式譲渡に関する追加情報(譲渡価額)のお知らせ
業績不振のソニーが、投資先企業であるスクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)の株式を売却すると発表しました。上記画像をご覧の通り、ソニー(子会社)は、スクエニの大株主です。
売却先はSMBC日興証券。一部報道では、SMBC日興証券は仲介であるとの情報があります。もちろん、株式市場で大量に売却すると、株価が値崩れを起こします。売り主としても高く売りたいですから、そのようなことはしないでしょう。
スクエニ(9684)日足チャート6ヶ月分
では、この発表によって、スクエニの株価はどうなったでしょうか? すでに、発表前から株価が下がりはじめています。発表直後では逆に値上がりしました。
先取りするかのような動きです。スクエニ株主は本当に気の毒です。しかし、私達投資家も他人事とは思えません。今回、注意したいポイントは2つあります。
ソニーが大株主である企業は他にないか?
ソニーがスクエニ株を売却したということは、他の保有株も売却する可能性があります。実際に売却しなくても、ウワサだけで株価は反応します。
投資先企業の大株主欄に「ソニー」の文字があれば、要警戒です。
業績不振の大株主はいないか?
ソニーに限らず、業績不振の企業は存在します。幸か不幸か、アベノミクスによって、企業が保有する株も大きく値上がりしました。
そのため、業績不振の企業が持株を売却する可能性があります。この機会に、みなさんが投資した企業の大株主欄を確認することをおすすめします。
事前に調べておけば、理由のわからない株価下落が発生しても慌てなくて済みます。備えあれば憂いなし、です。