メガネスーパーのライツ・オファリング、これアカンやつや(2)
メガネスーパーの新株予約権のつづきです。
アカンやつ。マイナス評価の言葉ですが、どこか親しみを感じます。「ダメなんだけど、放っておけない」。そんなイメージです。低位株好きの管理人にとって、メガネスーパーは非常に興味深い銘柄と言えます。
今回のポイントは3つです。
新株予約権の権利落ちとは何か?
メガネスーパーのライツ・オファリングは、2月18日までに購入した株主がもらえます。一方、19日以降はもらえません。そうすると、18日の株価と19日の株価は、権利の有無で差が生じます。これを「権利落ち」と呼びます。株主優待や配当金でも、同じことが起きます。
具体的には、18日までの株主は保有株数が3倍に増える可能性があるのに対して、19日以降の株主は株数が増えません。この差が株価に反映されます。この場合の理論価格は、以下の計算式で求められます。
(18日終値+60円)÷3
これアカンやつや(1)で購入単価の計算をしました。それと同じです。あのときは14日終値である54円を当てはめました。仮に18日も54円ならば、
(54円+60円)÷3=38円
となり、19日以降の株価は38円に向けて値下がりする、という結論になります。
ただし、メガネスーパーのライツオファリングは、今回が初めてではありません。過去にライツオファリングを行ったときは、この権利落ち日に株価が急騰しました。まさに、「これアカンやつや」です。
債務超過で上場廃止の危機が迫る
メガネスーパーは現時点で債務超過です。債務超過とは、メガネスーパーの場合、メガネ等の在庫を処分し、店舗の土地・建物を売却しても、借金を全て返すことができない状態のことを指します。
この状態が続くと、メガネスーパー株は上場廃止(レッドカード)になります。期限は(次の決算である)4月30日まで。この日までにメガネスーパーは債務超過を解消しなければなりません。
現在、足りない資金を調達すべく奔走しています。今回のライツ・オファリングは、資金調達の方法のひとつになります。
メガネスーパー株の希薄化
メガネスーパーは、資金調達の際に、出資者に対して、株に換えることができる手法を提示しました。その結果、資金調達に成功すると、発行済み株式数が3~4倍に増加します。
2月10日時点で6835万7000株。この先、債務超過を解消すると、最大2億3352万9000株まで増えます。
もちろん、新株予約権に応募する株主がどれくらいいるか?(ライツオファリング)、株主の承認が得られるか?(デット・エクイティ・スワップ)など、希薄化の影響が小さくなる余地が残されています。ですから、すぐに株数が増加するわけではありませんし、必ずこの株数になるわけでもありません。
ただし、ライツ・オファリングを放置してしまうと、他の株主や債権者との間で、株主としての立場がかなり不利になります。新株を買う予定がないなら、ライツ・オファリングを株式市場で売却するなどして、希薄化のマイナス面を補ってください。
まとめ
メガネスーパーは、短期資金の流入により、株価が理屈通りに動かないことが頻繁に発生します。新株予約権の上場や権利行使、IR等の発表が絡むと、何が起きるかわかりません。メガネスーパー株主は、今後起きうる様々な状況に応じて、適切に対処したいです。