株式分割発表による株価上昇
ウィキによると、「資本金を変えないで、1株を細かく分割すること」と書かれています。
株式分割を理解するには、ホールケーキとショートケーキをイメージするとわかりやすいです。
一般的に、ホールケーキは、誕生日やクリスマスなどのイベントのときによく売れます。しかし、値段が高いので、いつも買うことはできません。そこで、ホールケーキをショートケーキに分割します。小さく分割すれば、値段も安くなり、消費者も買いやすくなります。
この様子を投資用語で表現すると、「流動性を高めて、投資家層の拡大を図る」となります。
さて、最近、株式分割の発表によって、株価が上昇する珍現象が起きています。2014年に上昇した株式分割銘柄の中から、特徴的なサンプルを2つ紹介します。
注目が集まりすぎて寄り付き天井(きもと)
東証1部上場のきもと(7908)は、1月17日取引終了後、「1→2」の株式分割を発表しました。週明け20日、きもとには買い注文が殺到します。そのときのチャートがこちら。
きもと(7908)日足チャート2ヶ月分
前営業日から、ぴょーんと株価が跳ねている部分があります。これが20日のローソク足です。ヒゲのない陰線になっているので、始値と高値が同じ値段だとわかります。寄り付き天井の完成です。飛びついて買った投資家は、損切りもしくは含み損を余儀なくされました。
前場終了後の不意打ち発表(ホットリンク)
東証マザーズ上場のホットリンク(3680)は、1月21日前場終了後の午後12時、「1→5」の株式分割を発表しました。後場取引開始の12時30分、ホットリンクに買い注文が殺到します。
そのときのチャートがこちら。
ホットリンク(3680)5分足チャート2日分
株式分割発表が前場取引終了後だったため、情報が投資家全体に行き渡っていなかったようです。発表から取引開始までたった30分。後場寄り付き後も株価が上昇する余地がありました。勇気を出して買った投資家は、この売買で利益を手に入れることができたと思います。
どちらの銘柄にも言えることは、株式分割が株価急騰の材料になっている事実です。この株価上昇は、瞬間風速のように、短期資金が集まって引き起こしています。
株式分割の情報が、決算発表などと同じように、一喜一憂するネタになっている。良くも悪くも、投資家に余裕が出てきて、株式市場が盛り上がっていることを感じさせます。