吉野家株主のうれしい悩み
※「吉野家 オファリング」で検索された方は、以下の記事をご覧ください。
(本編)
吉野家ホールディングス(9861)の株価が上がっています。
吉野家HD日足チャート1年分
去年の安値は、4月につけた1,011円。本日の高値は1,472円ですから、もうすぐ上昇率50%を達成します。ところが、どうして吉野家HDの株価が上がっているのかわからない。
もちろん、ここは超有名な株主優待銘柄です。
吉野家HDは2月決算企業です。吉野家HDを100株購入すると、年2回(2月、8月)、3,000円分(300円×10枚)の食事券がもらえます。
株主優待利回りを計算してみると、
6,000円÷(1,472円×100株)×100株≒4.076%
となります。でも、約4%の優待利回りが原因で、これだけ株価が上がるのはちょっと考えにくいです。
株主優待投資家のうれしい悩み
ここまで株価が上がると、投資家にはうれしい悩みが発生します。
持ち株を売却して利益確定しようか? それとも持ち続けて株主優待をもらおうか?
吉野家の優待は食事券ですから、持ち株を売却しても全く問題ありません。売却益で食事代を払えばいいだけです。株主優待の権利が確定した2月下旬以降に買い戻せば、もう一度株主に復帰できます。ちょっと良いアイデアに思えます。
ところが・・・。
今回に限って言えば、このアイデアは失敗するかもしれません。その根拠は、値上がりの理由と関係しています。
吉野家HD月足チャート10年分
吉野家HDの月足チャート10年分です。黄色の枠はリーマンショックが起きた2008年です。吉野家HDの株価は、アベノミクスがあったにもかかわらず、いまだにリーマンショック前の水準まで回復していません。同時期の日経平均株価は約13,000円。大きな違いがあります。
管理人の勝手な推測ですが、今の吉野家HDの上昇は「水準訂正が起きている」と感じたわけです。吉野家HDは、出遅れ株(出遅れ銘柄)である、と。
何が言いたいかと言いますと、
今回の上昇で吉野家の株を売ってしまったら、もう、安い株価で買えないかもしれない。
というわけです。おそらく、株式市場が暴落しない限り、1,000円~1,100円へ戻ってくることはないでしょう。吉野家HD株を保有する優待投資家は、下手に動かず、じっと持ち続けるのが賢明な選択だと考えます。
※仮に、もう一度この水準(1,000円~1,100円)に戻ってきたら、管理人を笑っていただければと思います。