日立金属のTOBによる上場廃止と配当金、株主の今後について
4月28日、投資ファンドのベインキャピタル等は、東証1部上場の日立金属(5486)に対して、TOB(株式公開買い付け)を行うと正式発表しました。
TOBの条件について
(1)TOB価格・・・2,181円
(2)TOB期間・・・2021年11月下旬ごろ開始予定
(3)決済の開始日・・・未定
(4)買付予定株数・・・上限ナシ、下限5682万1201株
(5)証券会社・・・未定
(6)配当・・・無配
TOB価格2,181円、TOB期間は未定で2021年11月下旬頃に開始する予定です。
手続きが順調に進むと、日立金属は上場廃止になります。これに伴い、配当金もなくなります。
日立金属の株主はTOBに参加して2,181円で保有株を買い取ってもらうか、もしくは、株価が2,181円に近づいたら、株式市場で売却することができます。
日立金属の今後の株価について
4月30日終値2,120円。株価が上昇し、TOB価格にサヤ寄せしています。
今後、何もなければ、上場廃止まで横ばいが続く見込みです。
2,120円÷2181円×100=97.2%
上場廃止予定のTOBの場合、株価がTOB価格の99%~99.5%程度で推移します。
TOBが始まっていないのと、各種手続きが完了していないので、他の事例に比べて割安になっています。
TOBに参加するメリットについて
メリットはTOB価格2,181円で買い取ってもらえること、TOBの手続きを経験できることです。
具体的なスケジュールについては、後日発表予定です。
日立金属の配当金について
・2021年3月期の期末配当・・・無配
・2022年3月期の中間配当・・・無配
・2022年3月期の期末配当・・・無配
TOBが実施されることで、2021年3月期の期末配当、2022年3月期の中間配当と期末配当がすべて無配となりました。
「TOB成立を条件に廃止」ではありません。
日立金属の株主の今後について
日立金属月足チャート
月足チャート5年分です。TOB価格の水準に黄色の線を引いています。
TOB価格2,181円は上場来高値2,131円を上回ります。仮に上場廃止が決定すると、株主の利益も確定します。
(1)含み益の投資家・・・TOB参加
(2)資金回収を急ぐ投資家・・・株式市場で売却
(1)TOBに参加するには申し込む証券会社の口座が必要です。詳細なスケジュールは後日発表予定です。
(2)株価がTOB価格にサヤ寄せしました。いつでも利益確定できる状態です。