ニチイ学館、MBOによるTOB成立と株価急騰→急落
ニチイ学館の続きです。
・TOB成立
・結果発表前日に株価急騰
・TOB成立で株価急落
東証1部上場のニチイ学館(9792)は、MBO(経営陣等による自社買収)によるTOB(株式公開買い付け)を行っていました。
TOB価格1,670円、TOB期間は2020年5月11日(月)から8月17日(月)までの68営業日です。
8月18日10時45分に結果が発表され、「TOB成立」しました。
TOBの結果について
今回のTOBは、購入株数に下限が設定されています。2758万6100株です。株主の応募がこの株数に満たない場合は、すべての買付が行われません。
これに対して、株主が応募した株数の合計は3744万9109株でした。下限をクリアしたので、応募した株数はすべて買い取られます。
議決権が82%超になることから、今後、上場廃止に向けた手続きが進む見込みです。
応募した株主の今後について
TOBに応募した株主は、8月24日以降、「1,670円×株数」の投資資金が戻ってきます。
例えば、100株応募した場合
TOB価格1,670円×100株=16万7000円
となり、投資資金16万7000円が戻ります。口座が反映される時期は送金方法によって異なります。
気になる方は、野村證券で聞いてみてはいかがでしょうか。
ニチイ学館の株価急騰から急落へ
ニチイ学館2020年8月17日~18日5分足チャート
・8月17日:始値1,667円、高値1,748円、安値1,665円、終値1,698円、出来高263万1800株
・8月18日:始値1,738円、高値1,743円、安値1,662円、終値1,664円、出来高306万7900株
TOB価格の水準に黄色の線を引いています。
8月17日、香港に拠点を置く投資ファンド「ベアリング・プライベート・エクイティ・アジア」がニチイ学館の創業家にTOBを提案しているとの報道が出ました。
TOB価格2,000円と具体的な数字もあり、株価が急騰します。高値1,748円をつけました。
翌18日、寄り付きから株価が急落。10時45分にTOB成立が発表されると、二度目の急落。結局、TOB価格1,670円を下回る水準で取引を終えました。
TOB期間の最終日に報道が出たため、投資家の期待がさらに高まったようです。
報道直後に売った投資家が、いちばん儲かる結果となりました。MBOで話がややこしくなると儲かるのと同時に、引き際が難しいサンプルでした。