(追記あり)富士通フロンテックの上場廃止と配当金、株主の今後について(2020年12月24日廃止)
7月30日、東証1部上場の富士通(6702)は、富士通フロンテック(6945)に対して、TOB(株式公開買い付け)を行うと発表しました。
・TOB価格1,540円
・みずほ証券でTOB申込可能
・TOB成立を条件に配当金が廃止
(追記)2020年12月24日上場廃止
TOB価格は1,540円、TOB期間は2020年7月31日(金)から9月29日(火)までの40営業日です。
手続きが順調に進むと、富士通フロンテックは上場廃止になります。これに伴い、TOB成立を条件に2021年3月期の配当金が廃止されます。
富士通フロンテックの株主は、TOBに参加して、1,540円で買い取ってもらうか、もしくは、株価が1,540円に近づいたら、株式市場で売却することができます。
富士通フロンテックの今後の株価について
日付 | 株価 | 前日比 |
---|---|---|
7/30 | 1,696 | - |
7/31 | 1,540 | -156 |
7月30日終値1,696円。28日からの急騰で株価がTOB価格を超えています。
今後、TOB価格付近まで下落し、その後は何も起きなければ、上場廃止まで横ばいが続く見込みです。
現時点で、飛びついて買った投資家は含み損になる可能性が高いです。
TOBに参加するメリットについて
メリットは、TOB価格1,540円で買い取ってもらえること、TOBの手続きを経験できることです。
具体的には、富士通フロンテック株を購入した証券会社から、みずほ証券に移管して(移動して)売却します。
10月6日以降、投資資金が戻ってきます。
富士通フロンテックの配当金について
2021年3月期の配当金は、TOB成立を条件に廃止になります。
前期の実績は中間配当1株11円、期末配当1株11円の計22円でした。
ただし、配当金の廃止はTOB成立が条件なので、不成立となった場合は元に戻る可能性があります。
富士通フロンテックの株主の今後について
富士通フロンテック月足チャート
月足チャートです。TOB価格の水準に黄色の線を引いています。
TOB価格より安い値段で買った株主は含み益、逆に高い値段で買った投資家は含み損の状態です。
仮に、富士通フロンテックの上場廃止が決定すると、株主の損益も確定します。
(1)含み益の投資家・・・TOB参加
(2)含み損の投資家・・・TOB価格引き上げを期待
(3)資金回収を急ぐ投資家・・・株式市場で売却
(1)TOBに申し込むには、みずほ証券の口座が必要です。口座がある方は試してみてください。
(2)2017年に買った株主に含み損の方が多いです。
富士通フロンテックは、富士通がTOB前で53.3%の株を保有しています。状況は厳しいです。ただ、株価がTOB価格を超えた水準で長引くと、何かが起きるかもしれません。
(3)今回のTOBは、プレミアムではなく、ディスカウントです。これから株価がTOB価格を下回ることを前提に、少しでも高い値段で売りたいです。
28日以降に買った短期投資家は、すぐに撤退でしょう。
(追記)富士通フロンテックの上場廃止日決定
富士通フロンテックの上場廃止までのスケジュールが決定しました。
上場廃止日は2020年12月24日(木)、売買最終日は12月23日(水)です。
富士通フロンテックの株主は、売買最終日までに売却しないと、1,540円で強制買い取りとなります。12月28日以降、「1,540円×株数」の投資資金が戻ってきます。
株主のみなさん、どうもお疲れさまでした。