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大戸屋ホールディングス、コロワイドによるTOBの反対表明

2020.07.20

大戸屋ホールディングスへの上限付きTOBと株主優待、株主の今後についての続きです。

7月20日、ジャスダック上場の大戸屋ホールディングス(2705)は、コロワイド(7616)によるTOB(株式公開買い付け)について、正式に反対を表明しました。

コロワイドによる大戸屋ホールディングスへの上限付きTOB(会社反対)

(1)TOB価格・・・3,081円
(2)TOB期間・・・2020年7月10日(金)から8月25日(火)までの30営業日
(3)決済の開始日・・・2020年9月1日(火)
(4)買付予定株数・・・上限233万株、下限187万2392株
(5)証券会社・・・SBI証券
(6)株主優待・・・変更なし

現在、TOB期間中です。TOB価格は3,081円、TOB期間は2020年7月10日(金)から8月25日(火)までの30営業日です。

このTOBによって大戸屋ホールディングスが上場廃止になるわけではありません。また、株主優待も継続されます。

大戸屋ホールディングスの発表では、反対の理由について、以下の点を指摘しています。

(1)株主総会の否決に反するものである
(2)上限付きTOBである
(3)企業価値・ブランド価値が毀損する
(4)コロワイドの買収はうまくいっていない

株主に直接関係するのは、この4つです。

(1)株主総会の否決に反するものである

2020年6月25日の大戸屋ホールディングスの定時株主総会で、経営権をめぐってプロキシーファイト(委任状争奪戦)が行われました。

結果は現経営陣が勝ち、コロワイド側の提案が否決されました。多くの個人株主がコロワイドの提案に反対しているため、TOBによって子会社化するのは株主の意思に反するとの主張です。

(2)上限付きTOBである

TOB価格3,081円は直前の株価に比べて、プレミアムが付いています。ただし、コロワイドは全部買い取るわけではありません。

また、仮にTOBが成立すると、TOBに申し込まなかった株主は、総会で否決された提案を受け入れないといけません。

(3)企業価値・ブランド価値が毀損する

プロキシーファイトで話題になったのが「セントラルキッチンと店内調理」の考え方の違いです。

コロワイドが提案するセントラルキッチンが導入されると、大戸屋ホールディングスの良さがなくなり、従業員の退職やフランチャイズ店の離脱が起こりかねないとのことです。

(4)コロワイドの買収はうまくいっていない

過去の事例として、カッパ・クリエイト(7421)を紹介しています。

かっぱ寿司は2014年12月に連結子会社化されましたが、コロナ以前から苦戦が続いています。

食べ放題で復活したかに見えたものの、黒字が定着したとは言えず、コロワイドとのシナジー効果も実現していません。

共同仕入れやセントラルキッチンの活用もうまくいっていないので、大戸屋ホールディングスでも、かなり時間がかかるだろうとのことです。

大戸屋ホールディングス日足チャート

大戸屋ホールディングス日足チャート

TOB価格の水準に黄色の線を引いています。

7月20日終値2,934円。以前、紹介したときに比べて値下がりし、2,900円~3,000円で推移しています。

仮に、株式市場で買ってTOBに申し込むと差額が儲かります。

もちろん、他の株主が申し込まずにTOBが成立しなければ、申し込んだ株が全部戻ってきます。

今回の発表で敵対的TOBであることが確定しました。今後、コロワイドがうまく株を集められないと、さらにTOB価格を引き上げる可能性もあります。

また、大戸屋ホールディングスが別の企業やファンドにホワイトナイトを頼む可能性もあります。

株主としては、どんどん盛り上がって株価が上がることを期待しているでしょう。TOB期間が終了するまで目が離せません。

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