ファミリーマートの上場廃止と配当金、株主の今後について
7月8日取引終了後、東証1部上場の伊藤忠商事(8001)は、ファミリーマート(8028)に対して、TOB(株式公開買い付け)を行うと正式発表しました。
・TOB価格2,300円
・野村證券でTOB申込可能
・TOB成立を条件に配当金が廃止
TOB価格は2,300円、TOB期間は2020年7月9日(木)から8月24日(月)までの30営業日です。
手続きが順調に進むと、ファミリーマートは上場廃止になります。これに伴い、TOB成立を条件に2021年2月期の配当金が廃止されます。
ファミリーマートは、TOBに参加して、2,300円で保有株を買い取ってもらうか、もしくは、株価が2,300円に近づいたら、株式市場で売却することができます。
ファミリーマートの今後の株価について
日付 | 株価 | 前日比 |
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7/8 | 1,754 | - |
7/9 | 2,154 | +400 |
7/10 | 2,300 | +146 |
7月9日終値2,154円。400円ストップ高です。8日取引終了後に一部報道でTOBの情報が出ました。17時30分に正式発表があり、TOB価格もわかったので、株価がサヤ寄せしています。
今後、TOB価格付近まで上昇し、その後は何も起きなければ、上場廃止まで横ばいが続く見込みです。7月10日にTOB価格に到達するでしょう。
TOBに参加するメリットについて
メリットは、TOB価格2,300円で買い取ってもらえること、TOBの手続きを経験できることです。
具体的には、ファミリーマート株を購入した証券会社から、野村證券に移管して(移動して)売却します。
8月28日以降、投資資金が戻ってきます。
ファミリーマートの配当金について
2021年2月期の配当金は、TOB成立を条件に廃止になります。
前回の配当予想は中間配当1株24円、期末配当1株24円の計48円でした。
ただし、配当金の廃止はTOB成立が条件なので、不成立となった場合は元に戻る可能性があります。
ファミリーマートの株主の今後について
ファミリーマート月足チャート
月足チャートです。TOB価格の水準に黄色の線を引いています。
TOB価格より安い値段で買った株主は含み益、逆に高い値段で買った株主は含み損の状態です。
仮に、ファミリーマートの上場廃止が決定すると、株主の損益も確定します。
(1)含み益の投資家・・・TOB参加
(2)含み損の投資家・・・TOB価格引き上げを期待
(3)資金回収を急ぐ投資家・・・株式市場または夜間取引で売却
(1)TOBに申し込むには野村證券の口座が必要です。口座がある方は試してみてください。
(2)2018年~2019年に買った株主の多くは含み損です。
ただ、伊藤忠がすでに50%超を保有しているので、TOB価格引き上げは厳しい状況です。物言う投資家が現れると良いですね。
(3)9日の夜間取引から売却することができます。SBI証券・楽天証券・松井証券などで買った方は試してみてください。株式市場で売却する場合は10日から可能です。