小島鉄工所、TOB価格を上回る株価上昇と考えられる理由について
小島鉄工所、名証2部もMBOで上場廃止の続きです。
・小島鉄工所の株価がTOB価格570円を上回る
・短期投資家のデイトレ
・物言う投資家の買い占め
7月1日、小島鉄工所(6112)の株価がTOB価格570円を上回りました。
小島鉄工所については、MBO(経営陣等による自社買収)で上場廃止を予定しています。現在、TOB(株式公開買い付け)期間中です。TOB期間は2020年6月29日(月)から8月12日(水)までの30営業日です。
小島鉄工所日足チャート
7月1日終値577円。高値610円をつけました。
今回のケースについては、
(1)短期投資家によるデイトレ
(2)物言う投資家による買い占め
の2つが考えられます。
(1)短期投資家によるデイトレ
最近、低位株の急騰が目立つようになり、株価の安い銘柄が、よく動くようになりました。
低位株は上昇率が高いので、ストップ高になると利益が大きくなります。
当日ストップ高になった銘柄をピックアップして、翌日に買う手法が行われているようです。
この場合、TOB価格を上回っていても、さらに高い値段で別の投資家に売ってしまえば、その差額が利益になります。
例えば、570円で100株購入し、610円で売却すると
(株価610円-570円)×100株=4,000円
となり、100株につき4,000円の儲けとなります。
ただ、初めてTOB価格付近で寄り付いたときは、勢い余ってTOB価格を超えたあと、その後はTOB価格以下で横ばいになることがあります。
どんなに高く買っても、570円で売れるので損失は限定されますが、なるべく安く買うことが重要です。
(2)物言う投資家による買い占め
TOBで注目されるのは、こちらのケースです。TOB価格が安すぎると判断した投資家が買い占めているかもしれません。
小島鉄工所は1株純資産が777.89円なので、TOB価格が引き上げられることを期待して、水面下で動いている可能性があります。
この場合は保有比率が5%に達したときに大量保有報告書が出ます。そうすると、購入者の存在が明らかになります。
いずれにせよ、しばらくすると、(1)(2)のどちらかがわかります。
(1)なら、投資家が飽きて別の銘柄に移動しますし、(2)なら株価が下がらずに別の発表が出てくるでしょう。
何かが起きれば良いですね。