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アイドルとの握手券で「あん分比例つきTOB」を説明してみる

(2010年のメルマガより一部加筆修正)

まず、TOBの具体的説明の前に、たとえ話から始めます。仮に、アイドルと握手ができる応募券があったとしましょう。

その応募券は1枚500円、全部で100枚流通しています。100枚のうち、50%の50枚を集めた人はアイドルと握手ができます。

現在、その応募券をたくさん保有しているのはA・B・Cさんの3名です。Aさんは40%の40枚、Bさんも40%の40枚、Cさんは20%の20枚です。

ある日、Dさんはどうしてもアイドルと握手したかったので、50枚を集めようと試みます。ただ、1枚ずつ、持ち主と交渉していたら、ラチがあかない。もしかすると、集めようとしていることがバレタ瞬間に、その応募券の価格が、つり上がってしまうかもしれません。
  
そこで、Dさんは考えます。

「応募券を1枚1,000円で買い取ります。売りたい人は、この指止まれ!」

と宣言するわけです。この宣言が「TOB(株式公開買付)」になります。

あん分比例に気をつけろ!

「あん分比例」とは、「Dさんがアイドルと握手するためのTOB」であると書きました。上の場合では、50%の50枚を集めるためにTOBを行うわけです。

逆に言うと、50枚以上は買わないよという宣言なんです。

ただし、TOBに応募してきた人から公平に購入するため、応募枚数にあわせて、釣り合いが取れるように配慮します。

計算はどうなるでしょうか?

仮に、40枚を持つAさん・Bさんと、20枚を持つCさんの全員が応募してきた場合、Aさん、Bさんから20枚ずつ、Cさんから10枚を購入し、トータル50枚(50%)にします。

Aさん・Bさん・Cさんは、保有枚数の半分を購入してもらうことになりました。その結果、TOBが終了した時点では、

Dさんが50%の50枚、

Aさんが20%の20枚、

Bさんが20%の20枚、

Cさんが10%の10枚

という状況になります。

あん分比例による株価への影響

あん分比例の計算方法を理解していただいたところで、「この現象が株価にどのような影響を与えるのか」という問題に進みます。一般的には、TOB価格付近まで上昇しないケースが考えられます。

上記のサンプルでDさんが全部購入するときには、価格1,000円まで上がるのですが、50%までに限定するときは株価が800円程度で止まってしまうかもしれません。

その理由は、もちろん「残りの株の処分に困ること」です。Aさんであれば、40枚のうち20枚買ってもらったとしても20枚残ります。この20枚はTOB前の500円まで値下がりするかもしれません。

そうすると、TOBで20枚を1,000円で買ってもらい、残りの20枚を500円で処分する。

(20枚×1,000円+20枚×500円)÷40枚=750円

という具合に、投資家それぞれが平均単価を計算するのではないかと思われます。

あん分比例つきTOBの取引について

管理人は基本的に、あん分比例のついたTOB銘柄に新規で参加することはほとんどありません。しかし、どうしても参加したいと考える方がいらっしゃるかもしれませんので、その方へのアドバイスを紹介します。

ポイントは、なんと言っても全株一致で寄り付いた後が勝負です。TOB価格は1,000円ですが、その金額よりかなり低い水準で取引が成立する可能性があります。

寄り付いた後で、株価がどのように動くか?

その多くが、寄り付いた後に徐々に値下がりするわけですが、一部、あまりにも安い値段で寄り付くと、その後に上昇する銘柄が出てきます。

具体的な金額だと、上記のサンプルでは、650円あたりで寄り付くケースです。750円~800円程度が妥当だと考えられる雰囲気の中で650円から始まると、買い注文が殺到し、株価が上へ持ち上げられます。そのような状況になればチャンスです。

一部マネーゲームに似た環境ですが、TOB価格という信頼の置ける目安が存在するため、純粋な(という表現が適切かわかりませんが・・・)マネーゲームよりも取引が、しやすいです。

あん分比例つきTOBは、毎年頻繁に出てくるわけではありませんが、仮に出てきたときには、取引に参加してみるとおもしろいかもしれません。資金に余裕のある方は試してみてください。

追記

最近の相場では、なぜか勢い余って、あん分比例のTOBでも、TOB価格と同じ水準まで株価が値上がりする、もしくはTOB価格を超えてしまうサンプルが発生しています。非常に興味深い現象です。

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