ニチイ学館、TOB価格を上回る株価上昇と考えられる理由について
ニチイ学館のMBOによる上場廃止と株主優待、配当金、株主の今後についての続きです。
・ニチイ学館の株価がTOB価格1,500円を上回る
・投資家による思惑
・物言う投資家の買い占め
MBO(経営陣等による自社買収)による上場廃止を予定しているニチイ学館(9792)。現在、TOB(株式公開買い付け)を行っています。
TOB価格は1,500円、TOB期間は2020年5月11日(月)から6月22日(月)までの31営業日です。
発表直後から株価が急騰し、TOB価格を上回る水準になりました。
ニチイ学館日足チャート
5月13日終値1,530円。12日に高値1,585円をつけました。
TOB価格の引き上げを期待して、投資家の買い注文が増えています。
仮に、TOB価格が1,800円に引き上げられれば、1,500円より高い値段で買っても儲かります。
(TOB価格1,800円(仮)-1,530円)×100株=27,000円
1,530円で買ったとすると、100株に付き、27,000円の儲けです。
もし、失敗しても、TOB価格1,500円で買い取ってくれるのは確実ですから、
(TOB価格1,500円-1,530円)×100株=-3,000円
損失は100株に付き、3,000円です。
ローリスク・ミドルリターンの手堅い取引として、多くの投資家が参加していると思われます。
過去の成功例はマイスターエンジニアリング(4695)です。興味のある方はこちらをご覧ください。
物言う投資家の買い占めと確認方法について
また、TOB価格の安さに着目した投資ファンドなどが、水面下で株を買い占めている可能性があります。大量に買うことによって、会社側との交渉を有利にすすめる狙いです。
保有比率が5%以上になったときに大量保有報告書が出るので、その存在が明らかになります。ニチイ学館の大株主(特に外国人投資家)が買い増した場合(1%増)も同様です。
大量保有報告書については、金融庁のサイトで調べることができます。
決算発表と同じように、昼休み、もしくは夕方に確認すると良いでしょう。
・書類検索→「ニチイ学館」と入力→「大量保有報告書」にチェック→「検索」を押す
時間に余裕があるときに試してみてください。